こんにちは。働き方を考えるタロットリーダー、高橋です。
Tbooks下北沢の店主でもあります。
最近、仕事や働き方の本をたくさん読んでいます。
今っていろんなテイストの働き方本が出ているじゃないですか。
自分にとって一見ビックリするような、ちょっと自分とは違う・・・と思う内容でも読んでみるとすごく刺激になるんですよね。
明日からすぐにマネしたい!マネできる!ものでなくても、その考え方のエッセンスがヒントになり、心に余裕を持たせてくれるんですよ。
だから、
仕事嫌いじゃないんだけど「今の仕事だ~いすき☆」とは思えない、
もう少し心地よく働きたいんだけどそんなに急激に環境を変えることはできない・・・
そんな方々にも、働き方本はオススメです。
このブログでも、私が何かしらヒントを得た本をちょっとずつ紹介していきます。
(Tbookで扱っていない本もご紹介します)
東京を旅するように暮らす
今回の働き方本は、米田智彦さんのこの本。
僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方
米田さんはフリーランスの編集者・ディレクターとして幅広い分野で活躍している方だそうです。
今ではすっかり懐かしい言葉となってしまった「ノマド」ですが、2011年の一年間、米田さんはなんと、生活そのものをノマドにする実験をしたそうです。
2011年の1月11日から、自分自身の生活自体を実験台にする「ノマド・トーキョー」は始まりました。
その前年の秋あたりから、ノマドやシェアといった言葉がポツポツと出始め、新しい時代の予兆を感じていましたが、当時はノマドと言ってもそれが具体的にどういうワークスタイルやライフスタイルを意味するのか、あまり実感がわきませんでした。
ノマド・トーキョーという生活実験プロジェクトは、自分の住んでいたマンションを引き払い、家財を捨て、トランク一つでソーシャルメディアの縁を辿って、都市を旅するように暮らし働いてみるというものです。
東京には衣食住のすべての機能がそろっています。いわば、都市自体が巨大なコンビニエンスストアのようなもの。その都市の恵みを最大限利用しながらシェアハウスやシェアオフィスを泊まり歩いたり、その空間を利用して働くことができるのではないか。
米田智彦 「僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方」
斬新ですよね・・・!!
自分の生活を変えたいと東京を飛び出し地方や海外に移住する人はいるけれど、住んでいる町(東京)を旅するように生活してみるっていうのがまたなかなか。
私は両親が東京育ちなので地方に縁がなく、日本では東京以外に住むことが想像できなかったのですが、東京を旅するという視点がユニークだなー、これはやってみたいかも!と面白がってしまいました。
(米田さんはだんだんと「決まった場所がない」ことに対して違和感を感じ始めますが、それは実験してみたからわかったことですもんね)
ノマド・トーキョーでの体験談、米田さんが考えるオリジナルなライフデザインの作り方、新しい働き方のユニークな事例等、読み応え抜群です。
トピックス満載のこの本の中で、特に私の心に引っかかったのは「多面性」と「行動」というキーワードでした。
多面性=可能性の広がり
いろんな私が全部、今の私
自分の中に一見矛盾するような「いろんな私」が存在していること、そしてそのすべてがいるから「今の私」ができていることを認められると、すごくラクになります。
心理学的には、複数の自己を持っていた方が精神衛生上効果的であり、逆に一つの役割を演じる専業主婦の様な立場は、うつになりやすいというデータがあります。
これは何も多重人格者になるということではなく、自分の関わる世界をより多く持ち、可能性を広げられるように準備しておくことが大切だという意味です。
「複数の自己」なんていうと大げさな話のようですが、実は、ほとんどの人が無意識に自分の多面性を使い分けています。
職場の自分、家庭の中の自分、プライベートの自分、親としての自分、子どもとしての自分など、誰もが多くの顔を持っているでしょう。
しかし、これまでは何となくそれが一つであることがよしとされてきたというか、確固たる自分というものを持つ人がいいのだという認識があったと思います。
どこに行っても変わらないただ一つの自己を持ち続ける人こそ理想的だというものです。けれど、その一つの自己が折れてしまったり、壁にぶつかったときは、逆に極めて脆い状態となります。
どこにいっても誰から見ても同じような人であること。
それが他人から理解しやすく、安定的で安心感のある状態ということは理解できます。(あの人って結局どういう人なの?つかみどころなさすぎ・・・と思われることがない)
できるけど、やっぱりそれは不自然だと思う。
人ってその状況に応じて反応が変わるし、相手に合わせて自分を変化させるから。
どこからどう見てもいっつも同じ!って、逆に気持ち悪くないですか。
多面的に生きる
別の顔を持つというのは、そこに所属する別のコミュニティの人とつながりを持つということであり、結果的にそうした人間関係が知らず知らずに自分に対して変化をうながす有効な手段となっているのです。
人間関係が変われば、内面はおのずと変わるといえるのかもしれません。Aという組織でのキャラクターと、Bという組織でのキャラクターは違います。それを違っていいのだと肯定する。アイデンティティは必ずしも一つでなくていいのです。
複数のコミュニティを持つのは、自分に対する最大の保険だと考えています。
例えば小さいお子さんがいるお母さんだったら。今あるコミュニティは家、だけにならないようにした方がいい。
そのコミュニティが上手くいかなくなった時辛すぎますから。
仕事、ママ友、学生時代の友達、趣味、SNS、何でもいいから、一つでも多く自分の居場所を作っていくことで、一つに固執や依存をせず軽やかに生きられる。
それが自信になり、より魅力的な人になるのではないかなぁ。
多面的に働く
会社員であっても特定分野に詳しいブロガーとして活躍する人もいるし、NPOやボランティアグループ、趣味のサークルを主宰するなど多面的な顔を持って活動しているけど、「実際、何の仕事をしている人なの?」と言われる人も多数います。
自分の可能性を一業種、一社に限定せず、複数のラインをつくってパラレルに同時並行させることが、将来へのリスクヘッジだけでなく、新しい未来への投資になるのです。
「何をやっているかわからない人」というのは、自分だけのオリジナルな「土地」を見つけ、そこに種を蒔いている人かもしれません。まだ形になっていないもの、目に見えないものに取り組んでいる人たちであり、その行動力や実行力は、これからは褒め言葉になると思います。
夢中になって一つの仕事を朝から晩まで専門的にやっているのはかっこいい。
けれど、そうじゃない働き方が合っている人もいっぱいいるのです。
いろんなことを試していきながら、自分が好きな働き方を目指すといいと思う。
私は本屋だけど占い師だし、父の会社を手伝ったり、その他の仕事もちょこちょこしている。
何が本業なの?と言われても、全部本気でやっているとしかいいようがない。
けど同時にどれも趣味みたいに楽しんでいる、ともいえる。
業務内容で言うと、企画し実行し新しいことを生み出すのが大好きだけど、同じくらいコツコツした作業も好きだから、いろいろやりたいやりたいんです。いろいろやると自分の中のバランスが取れる。
小さなころから複数のタスクを同時並行させることが得意だったので、今の働き方はもしかしたらピッタリ合っている気がしています。
たまたまだけど超ラッキーです。
行動が人生を変える
場所が変わると行動も変わる
ビジネス書でよく言われることに、「行動を変えなければ結果は出ない」というものがあります。
これは頭ではわかっていても実際にはなかなかできないことです。では、行動を変えるために最も効果的なことは何なのか。
手っ取り早い方法としては、「場所を変える」ということです。住む場所を変える、都市を離れる、メディアをつくって自分が活動できる場所をつくる、職場を離れる……など、ある種強制的に場所を変えることで、根本的な変化が生まれることがあります。
僕自身のケースでも、ノマド・トーキョーを通じて住む場所を変え続け、結果、付き合う人の幅を変えていくことで得たものはとても大きかったと実感しています。それまで気づけなかった自分の一面や可能性を知ることにもなりました。コミュニケーションする相手によって、人はどんどん変わっていくものです。
移動と出会いのススメ。
行動を変えるには、まず「今までとは違う場所」と「他者との出会い」からです。
今の環境が嫌だ。どうやったら抜け出せる?と考えた時、
一番は付き合う人間を変えることなんですよね。
そのためにはシンプルに場所を変えるのが手っ取り早い。
家、会社、使う駅、空き時間に出入りする場所・・・
場所を変えれば、必ずそこにいる人が違うから。
小さな勇気が大きな変化を生みます。
劇的に変化したいなら思い切って馴染みのない場所を選ぶといいでしょう。
やりたいことを「今」やる
僕らはどうしても縦型の人生ブランが固定観念として身に染みついている。就職してから、課長になったら、経済力がついたら、結婚する。
子供が大学に入ったら、お金が貯まったら、引退できたら、自分のやりたいことに着手する。でも、これからは、ビジネスをしながら海外にも住む。趣味が登山なのでヒマラヤに登りながら本も書く。将来、結婚して家族を持ったら子育てをしながら旅行もする。つまり、今しかできないことのためにお金と時間を使うんです。やりたいこととビジネスでの現役生活を同時に成り立たせる
将来何々やりたいな~、
いつかこうなったらいいな~と思い描くことって大事です。
でも確かに、今工夫してすぐできることなら、ジリジリ待たずに実行した方が楽しそう。
今を生きるってこういうことかもしれないですね。
余裕ができた時に・・・とか、まだ準備が足りない・・・とかやってるのは、時間の無駄な気がします。
極論、10年後のことなんかわからないし。自分が病気になっているかもしれないし、親の介護で余分な時間が一切なくなっているかもしれない。
今やれることから実際に体験してみるのって、単純なようだけど私の中ではなかった発想で、なんかワクワクしました。
自分なりのライフデザインの作り方
この本ではオリジナルなライフデザインをしているという複数の人が出てきますが、なにせ2013年発行なので「その後どうなったか」が丸見えです。
その頃の活動をさらに発展させた人もいれば、すっかり状況が変わっている人、WEBからは情報がなくなっている人など、本当に様々。
あの人どうなったかな・・・的な見方をしてみると、働き方が時代によって刻一刻と変化しているのを感じることができます。
最後に、こんなメッセージもどうぞ。
失敗だと思えばやり直せばいいのです。
小さくでも始めてみることです。
ちゃんと戻ってこられる道を用意してやってみること。
そこからしか自分なりのライフデザインはできません。
あと5年経ったら、どんなライフデザインが生まれているのかな。
楽しみです!