40歳女性が年を取る恐怖とは。

「女子をこじらせて」などの著書で、小気味よく現代の妙齢女性の気持ちを語って人気だった、雨宮まみさん。
「こじらせ女子」という言葉を作ったことでも有名です。

彼女はWEBで「40歳がくる!」という連載をしていましたが、昨年11月、40歳になって2ヶ月経たずに亡くなりました。
ご自宅で、事故とのことでした。

30代後半くらいの人は彼女の死をどう思ったでしょうか?
私は、すごく衝撃を受けました。
文章を読むと少々心の弱い人という印象はありましたが、女子の生態について本をいっぱい出して、ある意味こじらせ女子のスターというか、共感できる部分もいっぱいあったから。

40歳という年齢を特別なものとして重く受け止めていた彼女が、実際どのような40歳を過ごすのかを少し楽しみにしていたのです。

今回は、亡くなるまで連載されていた「40歳がくる!」から、心に響いた部分を取り上げたいと思います。

彼女の言葉は重く直情的で、ネガティブ思考が強いので読む時にはエネルギーが必要ですが、読み手の心に響くんですよね。
反面教師にもなるし、同じように痛みを感じることもできる。感情を揺さぶる文章を書く作家さんでした。

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他人からの目が気になる

要するに、 40 歳になれば、自然と肩の力の抜けた、いい感じの女になれるんじゃないか、という幻想があったのである。
そして、もちろんそれは、ただの幻想だった。

37歳になってみると、恋愛も性欲も下がるどころかあばれ太鼓みたいに「もうこれが最後の恋かも」「こんなたるんだ身体の女にセックス試合を申し込んでくれるのはこの男で最後かも」とガツガツし始めるわ、「で、結婚ってどう思ってるの?」と交際当初にストレートに詰めては去られちゃうわ、もう男女関係はめちゃくちゃになった。

自分をどう捉えたらいいのかもわからなくなった。周囲の視線がまず変わる。20代なら「若いですねー」で済む。30代だと「え、見えなーい」に変わる、37歳を過ぎてアラフォーと呼ばれる領域に入ると、その「え、見えなーい」の間にコンマ1秒の間が空くし、なんか、こっちも正直、そんな言葉が欲しいわけじゃないのである。

女性として見られる欲求がとても強い、他者からの承認をとにかく欲している人なんだと感じます。他人からの目が気になって、そこに自分の存在意義を見出そうとして、居場所を模索している状況のようでした。

おきれいですしね。そういう人は特に、年の取り方がわからない。

「普通の40歳」ってどんなだろう

若くないことぐらい知ってる。自分がどのくらい若くてどのくらいきれいで、どのくらい男の視線を集めているかなんてことは、知りたくなくても知ってる。もう若くなくても、それでも魅力的であるということを褒めてくれるような言葉は、この国にはないのか。
若いときは「若いね」で済むけど、歳を取ったら異様に美しい美魔女かババアかみたいな選択肢しか用意されてなくて、過剰に褒めるか不当に年齢や見た目のことでけなされるかの道しか待ってなくて、「普通の40歳」っていうのは、ないんだろうかと思い始めた。
なんか、もちろん、そう呼ばれる年齢だということは知ってはいた。けれど、自分としては、生きてて40歳になることなんか普通だし、見た目のことについても「今年40になるにしては、まあまあいいじゃん」と思える程度だったのに、「ババア」と呼ばれると、怒りとか失望とかよりも先に「ああ、こういう『女の年齢』ってものに、いつまでつきあわされるんだろう?」という気持ちがわいてくる。

激しく同意します。「普通の40歳」っていうのは、ないのでしょうか?

年相応にキレイなことの価値を、もっともっと上げたい。努力して若くいる人を否定するわけではないですが、自然に年を重ねている人が後ろめたく思ってしまうこの風潮が、とても寂しくなります。

自分らしい年の重ね方

少し前から、石田ゆり子さんが40代後半なのに若くてとてもきれいで可愛くて評判になってます。

私も石田ゆり子さん、大好きです。すごい可愛らしいですよね。
でも、みんながみんなあの境地を目指すと、すごく辛くなっちゃいます。
こんなすごい方もいます。47歳の「おばあちゃん」がカッコよすぎ

理想は理想として取っておいて、ほんとの「普通の美しさ」って、どんなものなんでしょう?

そして、雨宮まみさんのこの投稿の、締めの言葉を読むと、泣けてきます。

いつまでも若い人でいたいわけじゃない。もうババアですからと自虐をしたいわけじゃない。私は私でいたいだけ。私は、私のままで、どうしたら私の「40歳」になれるのだろうか。そしてどんな「40歳」が、私の理想の姿なのだろうか。
そういうことを、40歳を迎える今年、書いてみたい。

40歳になるということが、彼女にとってどれだけ重荷だったのでしょうか。
本を何冊も出して、たくさんの人を惹きつける言葉を紡げる人が立ち止まってしまった、40歳という年齢。

自分らしい40歳ってなんでしょうか。
人からの承認を求め続けていると、若さ至上主義のようなこの国の価値観だと行き詰ってしまいます。

そんな中で年を重ねながら女性としての自分に自信を持つには。自分らしく生きるには。
ちょっとずつ、自分なりに考えていって、答えを探す必要がありそうです。

高橋りか
タロットリーダー
タロットの魅力に取りつかれ30年以上/プロになって13年目。

2017~2019年、東京・下北沢で「本と雑貨とタロットのお店 Tbooks下北沢」を運営。
占いの専門書やカードの販売、個人セッションを行っていました。

現在は「高橋式決断タロット」を提唱し、オンラインでの個人セッション等で活動中。

YouTubeでは、初心者の方向けに「Oからわかるタロット講座」を配信しています。
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