高橋りかのシニカルな占い論:第3回
こんにちは。タロットリーダーの高橋りかです。
今日は、占いを語る上で避けては通れない占いの怪しさについて占い師目線で語りたいと思います。
これが実は、私が占いを生業としてる上で一番辛いことなんです・・・。
日々真面目にタロットと向き合って粛々とカードを切り解釈をし、コツコツとお客様とのやりとりをしている私ですが、ふと「あ~、でも世間的には怪しさのかたまりと思われてるんだよな・・・」と切ない気分に襲われる時があります。
やっている作業はOLさんや公務員さんと大して変わらない部分は多いと思うんですけどね。でも、世間はそうは思ってくれない。
「いいよね~、大変なこととか少なそうで☆」と勘違いされている気がしてなりません。
でも、その気持ちもわかるんです。だって、占い師って一般的には謎な存在ですもんね。
それ日本のどこで売ってるの?と突っ込みたくなるベールをかぶってモヤモヤ~と霞みすぎなプロフィール写真だったり、●●先生と口に出すのがはばかられるキラキラネームの方も結構いらっしゃる。
生活している上では絶対お目にかかれない人たち・・・それが占い師のイメージでしょう、普通の人にとっては。
そこで今回は、私がわかる(生きてる間の)範囲で、時代によっての占いの主流の変化と、それらのどこが怪しく感じるのかをちょっと考察してみたいと思います。
怪しさのモトがわかれば、少し前に進めるかもしれない!!
今回のコラムは私の偏見だらけになる予感がします。自分で占いやっていながら怪しい怪しいばっかり言っていて変なヤツ・・・くらいの軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。
占いは時代によってこう変わってきた
私が物心ついて占いに興味を持ってからの話ですが、大体こんな感じでした。
1980年代後半~90年代前半
この頃には本屋さんにタロット付きの解説書が棚に並んで売っていたので、それなりに世間に占いが浸透していたんだと思います。
伝説の占い少女雑誌マイバースデイとその姉妹誌が複数発売されていたことを考えると、おまじないや占いはこの時代の少女たちの間ではかなり人気だったのではないでしょうか。(私は友達には内緒でこっそり見てたけど)
また、ananなどの女性ファッション誌の後ろの方に、たくさんの電話占いの広告が出ていた気がします。
そこで、私の手元にある一番古いananの1996年11月22日号、表紙が竹野内豊の「あらゆる女性の切実な願い!いちばん欲しいのは、恋人です。」を見てみることにしました。
20年以上前なのに、特集の内容は今とあんまり変わらないです。今も昔も悩むことは同じなんですね。
早速後ろの方の広告ページをチェックチェック。
想像以上に美容整形の広告だらけです。電話占いもありましたが、整形広告と半々になってましたね。
美味しんぼの栗田さんのような女性が、電話占いへといざなっています。
他の号もチェックすると、こういうページがやっぱり存在してました。見開きページでぎっしりの情報です。ネットがない時代はこういう風に宣伝するのが主流だったのですね。
そういえばこの時代、個人的にTVでインパクトが強かったのは「こんなん出ましたけど~!」の名セリフでよくバラエティに出演していた占い師さん。
泉アツノさんって方なんですね。いつもニコニコしていてひょうきんなおばちゃんだなあっていうイメージでした。
余談ですが、wikiによるとこの方は元々宝塚出身の歌手だったんですね。ほんと余談ですけど。
1990年代半ば~2000年代前半
その後、時代は電話占い・ネット占い全盛期へ。
ネットでの占いも、初期の頃は個人の占い師さんが自分で簡単なホームページを作って細々と鑑定をしていましたが、そのうちにたくさんの占い師が所属するチャット占い・電話占いのサイトがたくさんできました。
そのようなサイトでは、クレジットカードを登録するとすぐに無制限で占いができるので、今日の夜は暇だからちょっと話ししてみようかな…というのが気軽にできます。この手軽なシステムが「占いジプシー」になってどっぷりと占い依存になる人が増えた原因の一つのような気がします。
Yahoo!占いの出現や雑誌のネット版で無料占いが公開されるなど、占いがより身近になったのもこの頃です。
そしてなんといっても細木数子さんや江原啓之さんなどがTVで大活躍し、スピリチュアルが大ブームになりました。
~現在
最近はラインやアプリを使った占いが増え、以前よりも更に更にお手軽に占いを楽しむことができるようです。
占い師になりたいと思って勉強をする場合、昔はスピ好きの人たちが集まるちょっとマニアックな掲示板に書き込んで無料で占いの練習をさせてもらったものでしたが、今はココナラなどを使ってお金をもらいながら実践を積むことが可能です。誰でもすぐに占い師になれるし、占いのスキルよりもネットマーケティングでのブランディングに優れた人が売れっ子占い師になれる時代ですね。
現代は多くのサービスでオンラインのネットストアが増えています。当然占いも同じで、事務所などの実店舗を構える占い師さんはどんどん減り、今後は本業を持ちつつ副業としてこっそりと活動していく人が今まで以上に増えるのでしょう。
そしてこれも他のサービスでも言えることなのですが、「何かに特化した」「専門性」を求められる時代です。10年前では想像ができなかったまさかの「占い師芸人」が何人も出てきたり、占い師の中でも「復縁専門」「ビジネス専門」など特化型のサービスをする人が増えています。何かに尖って目立たないと埋没してしまう、ニッチであればあるほどいいという考え方です。そのうち「30代で一回離婚をしたけどその後モテ始めて40代で10歳以上年下の彼氏ができた人だけ対象の恋愛占い」とか出てきそうでこわい。占い師はもちろん美魔女アラフィフで15歳位年下のイケメン夫がいる人でしょう。
占いのどこが怪しく感じるのか
今度は上記の時代の流れを踏まえて、占いの何が怪しく感じるのかを考察してみたいと思います。
広告の出し方(情報商材と同じ原理)→お金の匂いがする
古くは先ほど画像を載せた雑誌の広告もそうです。絵面がものすごく怪しい。
現代でも、しつこく追随するインターネット広告やドドン!と悩みを指摘して読み手を慌てさせ申し込みを促すLPぺージの手法が、占いサイトにも見られます。
こういった申込までの道筋に力技を感じるページは、うさん臭さを否めません。
なぜって、やっぱり「お金の匂い」がするからです。商品の価値を届けたいという想いより「お金が大好き」という雰囲気を感じとったとたん、私はこのサイトむっちゃ怪しいわ~と警戒しています。
スピに寄りすぎる→宗教臭い→警戒心
根が理屈っぽいせいなんでしょう。占いが大好きとはいえ、あまりにスピリチュアルな世界にはどうしてもついていけません。
なんとなく耳障りのいい、精神的なキーワードを使われると、「え?それってどういうこと?どういう意味?」と必ず突っ込んで理解したくなります。そして突っ込んでもほとんどの場合全然理解できない・・・。
また、スピっ気が強いとその先生をどうしても崇拝する形になり、それがまた宗教っぽくて私はついて行くのがとても苦手な分野です。
スピリチュアルを否定しているのでは全然なくて、ただ単に私とスピリチュアルの親和性が低めなだけなんですけどね。
当たらないのに平然としている
いや、別にいいんですけどね、平然としてて。
占いが当たらないのは割と当たり前ですし。
でもそこを認めないで、説明もしないで、大きく外したりするのって、お客さんからしたらびっくりすると思います。(私がお客の立場でカリスマ占い師の大外し→思いっきり肩透かしを食らうというパターンは結構ありました)
当たらないのにやたら言い切る
同じく、やたら強く言い切っちゃったのに全然当たらないっていうのも、よくありますね。
そういうバッサリ系が好きな方もいると思うんですが、私は占い以外でも何でも、明らかに失敗したのに悪びれない人があまり好きではありません。
説教臭い
古くから活動されているご年配の占い師さんに多いパターン。
なんかわかんないけど「とにかくしっかり勉強しなさいよ」って何度言われたことか。
そんな当たり前のこと言う前に占いをしてくださいよ・・・といつも思っていました。
でも、占いに怪しさは必要不可欠なのかも
占いは確かに怪しいし、うさんくさいところもある。
毛嫌いしている人もいる。
それでも、占いって古代から無くならないし、ずっと多くの人々から愛されていますよね。
それってなぜなんでしょう?
私が思うに大きい理由は2つ。
- 自分の未来を見てみたいから。
- 願いを叶えたいから。
自分の未来を見てみたいのは、人間の根源的な欲求なんじゃないですかね。タイムマシンに乗って自分の未来を覗き見るような、そんな遊び感覚で。当たらなくてもいいから知りたいし、ワクワクしたい。
そして、願いを叶えたい、自分の未来が思うようにいくことを信じたい時も占いを使うと思います。
占い師のように未来を予想するスキルを持っている(と思われる)人間に、仮に願っている通りの未来を言ってもらえたら、とても希望が持てるから。自分の未来を信じる心にパワーを与えることができますよね。
神秘的であるのは占いの不可欠な要素だと思います。
神秘っていうのは人間の知恵では計り知れない不思議、普通の認識や理論を超えたことだそうです。
そう考えると、当たったり当たらなかったりするのも、逆にそこが良いのかなとも思えてきました。もし占い師の予言が100%当たったら神秘的でもなんでもないし、つまらないですよね。当たるか当たらないかわからない占いにドキドキワクワクするのが楽しいんじゃないでしょうか。
怪しさと神秘性は紙一重の差な気がします。そして、怪しさと神秘性は人によって線引きが全然違うはずです。私はさっき挙げたようなことを怪しいと感じていますが、あなたはどうでしたか?同意する部分もあれば、いやそれは違うよ!と思った部分もあったはずです。
人によってその線引きや好みの塩梅が違うのが、面白いなと思います。いろんな感受性を持つ人がいるからこそのユニークな世の中です。今は色んな占い師さんがいますから、占いに興味がある誰もが自分とちょうどいい占いをきっとみつけられるはずです。
占いは怪しくてもいい。怪しさもあるから占いは楽しいんだ!と今回のコラムを書いて自信を持てた高橋です。
第1回:
シニカルな私が占いなんてやってる理由
第2回:
当たらない占いの有効活用方法、教えます
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