【女子のお仕事インタビュー】WEBショップ+実店舗


日常から商品を見つけ出す勘の良さと実行力

佐藤里愛さん

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佐藤さんが赤ちゃんグッズのWEBショップをオープンして10年超。
東京・豪徳寺ではWEBショップの商品や本などを置く実店舗も運営されています。

好きなものを取り扱いつつもお客様のニーズに合わせて柔軟に対応する、「商売」を楽しんでいる姿に共感しました!
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●すごい軽い気持ちで始めてしまって

豪徳寺へ向かう細い通りを歩いていると、可愛い雰囲気のお店が。

高橋:小田急線の豪徳寺駅徒歩数分のところに、佐藤さんが運営するMaar(マール)があります。

オープンはいつですか?

佐藤:2017年の4月です。

高橋:マールには、運営されているWEBショップの商品の子育てグッズや本が置かれています。

まず、先に始められていたWEBショップのことを教えてください。

佐藤:はい。新卒で本屋さんに入ったんですが、その後日本語の先生になって日本と台湾と韓国で日本語の先生をしていました。

その時に韓国人の旦那と知り合って、韓国で結婚して、子供を産んで育てました。

日本で流行りの抱っこ紐って、赤ちゃんが大きくなると反ったりして首の後ろのところが安定しないんですよね。
でも、韓国の抱っこ紐には付属品として頭あてがついてたんです。

これは便利だねっていうことで、日本に帰る時にそこの抱っこ紐会社と契約して。それを輸入して販売するWEBショップを開くことになったんです。

高橋:韓国にいる時にその商品と出会って、その時点ではまだ何もやってなかったけど、良いものなので日本でネットで売るということで持って帰ってきて、WEBショップを始めた、、、?

佐藤:そうです。

帰ってきた時、旦那も韓国にいたから就職するまで2人無職で子供がいる状態になっちゃうんですね。

子供がまだ赤ちゃんなので私もなかなか働きには出られないから、ネットショップならいいんじゃないかっていうすごい軽い気持ちで始めてしまって。

その時って良いと思うものが子育てグッズくらいしかないじゃないですか。子供育てる以外のことしてないから。

高橋:日本に帰国する時に、お仕事はどうする?じゃあネットショップってなって、身の回りにあった良い商品をみつけた。

佐藤:それが抱っこ紐だったんです。

高橋:すごい。商才がありますね(笑)。目の付け所がいい。

佐藤:最初の頃は、おちゃのこネットで月500円のカートを借りて、ほんとに全然大した収入にもならず、だったんですけど。

その後楽天に出店したら、楽天ってショップに1人コンサルタントがつくんですよ。その方がこれ、いきましょう!ってその頭あてを取り上げて。

高橋:目玉商品的な。

佐藤:そう。重点的に売るようにしたらすごく売れて。軌道に乗って旦那も一緒にその仕事をすることになりました。それが今まで続いてきてるんですけど。

高橋:へー!ショップを始めたのって何年位前なんかですか?

佐藤:おちゃのこネットは2006年に始めて、楽天が2011年。

高橋:じゃあ5年間はコンサルとかなしに自分たちで頑張って。すごいなあ。

佐藤:全然。旦那は別の仕事をしていたので、生活費を稼ぐまではなってないですよね。5年の間っていうのはちょこちょこしたことしかやってない。

高橋:でも小さいお子さん育てながらだから。

佐藤:2006年に2人目が生まれて、2008年に3人目が生まれたので。
その間は仕事してるけどしてないみたいな感じなんですよね。

高橋:自分の範囲内でできる仕事をやっていたんですね。

佐藤:そうです。

高橋:楽天との取引が結構大きなポイントでしたね。

佐藤:ちょうど2011年で、韓国料理の飲食店を出す事を考えていたんですけど震災があって、そんなどころじゃないんじゃないかって。

じゃあ今あるもので、なるべくうちの周りにいた方が安心じゃないですか。子供たちもすぐ帰ってこられるし。ていうことで割とそこで方向転換、二人でこれをやろうっていうことにシフトしていきました。

高橋:2011年に・・・すごいタイミング。

佐藤:結構大きかったですね。
それからわあーっと売り上げが上がっていって。今ちょっと下がり気味ですけど(笑)。
そのまま続いて今に至ります。

●なんでもやればなんとかなるんじゃないかな

高橋:ベビーグッズがメインですが、商品開発は佐藤さんが考えるんですか?

佐藤:収納カバーとか、うちのは裏側が防水加工になってるんですね。

公園とかで子供と遊んでると絶対に汚れるので、そういうときにポンと置くのには防水の方がいいし、雨の時も持ち運べるから・・・

とかっていうのでちょっと変えて作って出す、みたいなことをしてますね。

あと、松陰神社にある子供服のお店の店長と一緒に作ったのが店先にあるお砂場着。自分たちで柄とか決めて。

高橋:そこまで自分たちでやるんですね。

佐藤:パタンナーさんにパターンをお願いして、工場に作ってもらってます。
割とお砂場着も売れてます。

高橋:商品開発って始めはやったことない状態から始めたんですか?

佐藤:全くないですね。未経験。

高橋:すごいー。WEBショップで売るってなったので始めてみて、そこでやりとりしながら覚えていった感じなんですか。

佐藤:そうです。WEBも未経験。

高橋:WEBも!!!

佐藤:パソコンとか苦手というか、やったことなかったので。
画像を貼ることに何時間もかかる感じでした。

高橋:じゃあ始めは試行錯誤しながら。

佐藤:ほんとにひどいもんでしたよ。
でもなんとかなったので、なんでもやればなんとかなるんじゃないかな。テキトー(笑)。

高橋:始めてから、苦労が報われるというか、だんだんこれ続けても大丈夫だって思えたのってどのくらい経ってからですか。

佐藤:あんまりそういう風に思ったことが無いかもしれません。

高橋:じゃあ悲壮感漂って「大変~~~」っていうよりは、日々気楽に・・・?

佐藤:悲壮感漂ってましたよ。

高橋:漂ってたんですか?!

佐藤:いつどうなるかわからない感じで。
売れれば売れたで今度仕事が間に合わなくなるんですよ。
それでお客さんからのクレームが増えて。

高橋:注文が溜まっちゃって。

佐藤:ミスも増えて。そうすると今度心が折れてやられる・・・。
もうやりたくない!仕事は嫌だ!ってなったりしながらです。

高橋:うわぁ~~~。

佐藤:ただ、子どもがちっちゃい時は一緒に使えたり、子育て広場に行っていろんな抱っこ紐を試す会をやったりして。

私も子供をおんぶしてそういうところに行って、いろんな抱っこ紐の付け心地とかを試すっていうのもやってたんですよね。

お母さんたちは何個も何個も抱っこ紐を買えないから、買う前に試すしかないんだけど、小売店だと赤ちゃんは直接試さないでくださいっていうところも多いんです。

高橋:そうなんですね。

佐藤:そういうことをしてるときは、一緒に育てている感じがして面白かったな。

高橋:佐藤さんの生活、毎日に根付いた商品だから、リアルに改善出来ていったんですね。

●直接声が聞けるので、店舗を開いてよかったなと思います

佐藤:後はお客さんからこうしてくれとか来たレビューをすぐに変えられたんですよね。

それはやっぱり日本に工場を移してから、いろいろできるようになりました。

高橋:始まりが韓国だったから、初めは韓国との工場でやり取りしてたけど、日本の工場に移されたんですね。
いつ頃からなんですか?

佐藤:2013年頃ですかね。

子供が赤ちゃんだった頃はそれで何とか触れあえたんですけど、今はうちの子供は一番上が高校に入る年なので。
そうすると今度赤ちゃんと知り合う機会もないしなかなか難しいんです。

お店開いてここに赤ちゃん連れのお母さんが来てくれたりすると直接声が聞けるので、店舗を開いてよかったなと思います。

高橋:そうですよね。実店舗のマールを開くきっかけはあったんですか?

佐藤:元々アンテナショップというかうちの商品を実店舗で置きたいっていう気持ちがありました。ネットショップだけって結構信頼がないというか。

高橋:なるほど。

佐藤:仕入れをする時も実店舗がないと、取引しませんっていう会社さんもあったりして。
ちっちゃくても実店舗があればそういうところとも取引ができるし。

高橋:そうか。WEBショップにも実店舗を置くメリットって大きいんですね。

佐藤:それまではWEBショップの方だけで手が回らなかったっていうのもあるし、ここは私の実家であり今自宅になってるんですけど、ここに引っ越してきたっていうのも大きいですね。

ずっとここにいられるので店を開けながら仕事もできるし、そういうもろもろの、生活の事情とかで。

●お母さんだけど、その人はその人個人でもある

高橋:お店ではWEBショップで売っている商品だけじゃなくて、他に本なども置いてますよね。

本とWEBショップの商品と、その他のものですか。

佐藤:そうですね。雑貨類に関してはWEBショップで扱っているものがほとんどですね。後はオリジナルの自分たちの商品と、プラス本です。

高橋:本は大人向けの新刊と、子供向けの古書の絵本とありますけど。
これはどういうチョイスなんですか?

佐藤:本屋さんに勤めていたことがあって、お店を開くっていうと私の中のお店って本屋だったから、本は置きたいなあって思っていました。赤ちゃんの本だったら合うし、いいかなって。

やっぱりお母さんだけど、その人はその人個人でもあるから。赤ちゃんの絵本とか育児本ぱっかりあるっていうのもなんかねえ。
その人が今読みたい本とか、私が勧めたい本、私が読んだことがあっていいなと思う本も置きたいと思って。

で、大人の普通の本と子供の本と育児本が置いてあります。

高橋:結構な量の本がありますもんね。

佐藤:最初は新刊で私が置きたい本を選んで仕入れてたんですけど、今はこのお店をちらっと見てここに置いてほしいっていう本を持ってきましたっていう方が何人かいらして、その方たちから古本を書い取ったりしてます。

なので絵本と育児書に割と古本が多いのは、そういう方からの買取のものになります。

高橋:なるほど。小さいお子さんを連れてきた場合も、お子さんも楽しめてお母さんの方も自分で読む本も探せて、いいですよね。

佐藤:そういう風になったらいいなと思って。

高橋:どんな感じですか?本の売れ行きの方は。

佐藤:絵本にいっぱい触れさせたいしいっぱい買いたいけど、新刊本だとお金が・・・!っていうお母さんが古本をすごく喜んで買ってくださったりしてますね。

一回読んでいや!って思われちゃうかもしれないし、冒険ができないけど、古本で手に取りやすい値段だと何冊か買ってもいいかなってお話しされる方がいますので。

この低い台のところに本を置くようになってから、子供があー!って自分から来るようになって。

高橋:確かにお子さんも取りやすい高さ。

佐藤:そうなんですよね。

高橋:これは工夫ですね!

佐藤:その台にあるのは古本にしたので。

やっぱりお母さんは「絶対触っちゃダメよ!売り物なんだから!」って言うんですけど、いいですよ、見ててもらって平気なのでって言うとホッとされて。

高橋:いいですね。

佐藤:その間にお母さんはここらへん(大人向けの本棚)を見ている感じになるので。
回転はやっぱりここ(絵本の古本)が一番買ってくださる方が多くて。

意外に育児書はそんなに回転しないというか(笑)。

高橋:佐藤さんの読まれた本も置いてあるんですか?

佐藤:そうですね、そこの本棚はほぼ私が買って読んでそのまま古本にして置いてあるというか。
そういうものが結構ありますね。

高橋:本好きだから、大量に。

佐藤:読みたいなと思った本を読んだ後にここに並べて。

●知り合いの繋がりで置いてっていう話がきたりとか

高橋:なんかいい空間ですね。本があって、真ん中にテーブルもあるので落ち着いて座っていられるし。

佐藤:時々お話し会みたいなのをするんですけど、それもマックス6人とかで。

今までやったのが、絵本講座、思春期のお母さんたちのお話し会など。

あとはタバブックスさんの愛と家事の読書会もやりました。著者の方がいらして。
そういうのをもう少し増やしていきたいなと思ってるんですよね。

高橋:そこに手形アートワークっていうのが・・・(お知らせのPOPがレジ前にあるのをみつける)

佐藤:これは予約制で、今予約を受け付けてるんですけど。
ここに来て1時間とか・・・

高橋:あ!お子さんの。

佐藤:そうそう、これ、手なんですよ。

高橋:かわいいー!!

佐藤:すごいかわいくて。手形でね。
ご近所で、ぺたぺたアートって言ったかな?インストラクターの方がいて、その方が来てくださいます。

高橋:ご近所さんでいろんなつながりがすごくありそうですね。
さっきの松陰神社のベビー服の方もそうですけど。

佐藤:そうですね。
これも手作りなんですけど、近所の方がここがオープンした時にいかがですかみたいな感じで商品を持って来られて、委託で置いてます。

ハンドメイドの作家さんともお知り合いになれたらいいなと思うんですけど、自分からあんまりやってないので。

高橋:自分から開拓していないとおっしゃいますけど、かなりつながっている気がします。

みつけてもらっている感じがしますね。

佐藤:そうかもしれない。

高橋:なんだろう、ここの土地柄ですかね?

佐藤:ちょっと入ってみてくれる。

このぺたぺたアートの方も一回お店にお客さんで入ってくださったことがあったみたいで。その後、いかがですか?っていう連絡があったんです。

あと、近くに子育て広場があるんですね。そこは私の子供が赤ちゃんの頃から知り合いの方が運営されているので。

そこからのつながりで手作りのスタイををもしよかったら置いてっていう話が来たりとか。

高橋:ママのネットワークともうまく相乗効果でつながっていってるんですかね。

佐藤:その芽は出てるんですけどまだ育ってなくて、そういうことをもっとやっていったらつながりも広がっていくのかな。

高橋:2017年の7月くらいにオープンされて間もなく2年になりますけど、お店全体としてはいかがですか。

佐藤:1年間はとにかく開けていろいろやってみようとしてましたね。お話し会とかやったり。とにかく開けるっていう、それだけでもう手一杯だったですね。

2年目は、ちょっとネットの売り上げが下がったので、上げるっていう方にガーッと行って、お店は何もしない状態になってしまいました。

今度の3年目を、ネットとお店の両方底上げできるようにするにはどうしたらいいかなって。

リアルで人が来てくれて感想を言ってくれて話をしてくれて、実際につながっていける場所としては、お店はずっとやっていきたいと思うんですね。
そういう場所として何ができるかなっていうこと。

●場所が「こういうのいいんじゃない?」って言ってくれている

高橋:ここの空間は完全に佐藤さんの自由に使えて、逆にあまりに自由なんでどういう風に使えばいいか迷いますよね。

生かすも殺すも自分次第なところありますよね。私もTbooksがそうなんですけど。

佐藤:そうですよね、どうしたら生かせるかっていう。

(店前に置いてある)いきなり出現した招き猫グッズは、私も気づいてなかったんですけど、店の前の通りは豪徳寺に行く観光客の方がすごく多いんです。なのでちょっと置いてみたらすごく評判が良くて。

高橋:招き猫のストラップ。

佐藤:ストラップとかちっちゃい300円くらいのを仕入れて売っているんですけど。

私も意図していないし、ただ場所が連れてきているというか、場所が「こういうのいいんじゃない?」って言ってくれているようなものもあるので。それも面白いなあと思ってます。

高橋:確かに。

佐藤:お店を開ける前も開けてからも、自分でこういうのをやろうと思ってなかったんですけど。

高橋:最近豪徳寺に行く観光客の人多いからなんとなく置いてみようかな、くらいの軽い感じで置いてみたんですね。

佐藤:そうですね。ないんですよ、商店街に招き猫グッズを置く店が。

一番奥の和菓子屋さんが置いてるんですけど、そういえばあんまり置いてるお店がないしと思って置いてみたら、喜んでくださる方も多いんです。

台湾・中国・アメリカ・フランス。いろんな国の方がいらして。
駅からお寺に行くのに、みんなガイドブックを持ってるんですよ。

高橋:それ考えるとすごく良い場所ですね!最高じゃないですか。ここ、豪徳寺までの通り道なんだ。

これから2020年にかけてどんどん増えていくんじゃないですか。

佐藤:増えていく気がしますよね。

高橋:招き猫、すごい力入れたらどうですかね(笑)。

佐藤:そう(笑)。

ほんとに生き物みたい、お店が。
こうしなきゃとかなくてもいいのかなっていう気がしてきています。

高橋:WEBショップで売るものとか赤ちゃん関連のものしか置かないっていうんじゃなくて、場所でニーズがあるものも積極的に置いてみるの、いいですよ!

佐藤:お店をオープンした時も「ここは何のお店?」ってお客さんから散々、入った時に「何のお店なんだろう」っていう感じの方が多かったですね。

確かに本と育児用品が置いてあるし、本も育児のものだけじゃないし。
そういう場所だなっていう感じ(笑)。

高橋:わかります。うちも3階まで上がってきてくれて「ここって何のお店ですか」っていう人いるんですよ、結構。初めて来てくれた人の三分の一くらい。

一瞬不安になるみたいですね。何のお店かわかんないとお金がどこで発生するかわからないし。

そもそも、招かれざる客じゃないけど・・・

佐藤:いていいの?私みたいな。

高橋:そう。初めに不安そうにしている人もいて。

消費者からしてみると、このお店は何のお店、っていうわかりやすさ、決まりきった感じが安心するはするんでしょうね。

佐藤:そうだと思います。
それに赤ちゃんの帽子ありますかとか言われても、ないんですね。
赤ちゃん用品のお店だとあるんだけど、ない、みたいなものもあったりして。

高橋:でも別のものが置いてあるみたいな。

佐藤:じゃあ全部赤ちゃん用品を全部揃えるかって考えたらそういうことは他のお店がやってるだろうから、とかね。

高橋:やっぱりニーズがあって喜んでもらえるものっていいですよね。
売ってる側としては、必要とされているというか。

佐藤:そうですね。好きなものだけ置きたいっていうのもありますけど、でもやっぱり双方向なので。向こう(お客様)が喜んでくれるなら、じゃあそういうのも置きたいって。

それがまた面白さでもありますよね。

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